
メール配信レポートを活かす!開封率・クリック率から学ぶ改善ポイントと施策【初心者向け】
May 05, 2025はじめに:メール配信は「送って終わり」ではない
メールマーケティングにおいて、ただメールを送信するだけでは十分ではありません。むしろ本当の勝負は「送ったあと」です。メール配信ツールには、多くの場合「配信レポート」機能が備わっており、これを活用することで効果的な改善が可能になります。
本記事では、KAJABIのメールレポートを例に、以下のような主要な指標の意味や活用方法を解説します。
- 配信数(Sent)
- 配信成功率(Delivered)
- 開封率(Opened)
- クリック率(Clicked)
- ハードバウンス(Hard Bounced)
- 解除率(Unsubscribed)
なお、これらの指標は、Mailchimp、ConvertKit、SendGrid、Benchmark Emailなど他の配信ツールでも同様に確認できますので、ツールが異なる方もご安心ください。
1. 配信数(Sent)と配信成功率(Delivered)とは?
■ 配信数(Sent)
「配信数」は、そのメールキャンペーンで送信を試みたメールの合計数を表します。
例) リスト数:100件 → 配信数 = 100
活用ポイント:
-
リストの規模や配信対象セグメントの正しさを確認する手がかりになります。
-
過去のキャンペーンと比較することで、リストの成長や絞り込み精度を評価できます。
■ 配信成功率(Delivered)
「Delivered」は、実際に相手の受信箱に届いた割合を示します。
配信成功率(%)=(配信成功数 ÷ 配信数)× 100
なぜ届かない?
-
アドレスが存在しない・無効
-
メールボックスがいっぱい
-
ドメイン設定の不備(SPFやDKIMなど)
活用ポイント:
-
配信成功率が低い場合は、リストのクリーニング(無効アドレスの削除)が必要です。
-
高い配信成功率は、信頼性の高いドメインや質の高いリスト運用の証です。
2. 開封率(Opened)とクリック率(Clicked)とは?
■ 開封率(Opened)
「開封率」は、メールを受信したユーザーのうち、実際にメールを開いた人の割合を示します。
開封率(%)=(開封数 ÷ 配信成功数)× 100
注意点:
-
HTMLメールに埋め込まれた「トラッキングピクセル」が読み込まれることで開封がカウントされます。
-
一部のメールアプリ(特にApple Mailなど)では自動的に開封済みと認識される場合があり、厳密な数値ではないこともあります。
活用ポイント:
-
件名・プレヘッダー(冒頭の数文字)の効果を測る重要指標です。
-
開封率が低い場合は、A/Bテストで件名のバリエーションを試すのが有効です。
-
配信時間帯によっても大きく変わるため、開封率を元に「最適な配信タイミング」を探るヒントになります。
■ クリック率(Clicked)
「クリック率」は、メール内にあるリンクをクリックしたユーザーの割合を示します。
クリック率(%)=(クリック数 ÷ 配信成功数)× 100
クリック率 = 開封した人のうち、リンクをクリックした割合 ではなく、配信成功数に対してクリックした割合が一般的です。
活用ポイント:
-
コンテンツの魅力、レイアウト、CTA(Call to Action)の配置や文言などの効果を測れます。
-
「高開封・低クリック」の場合は、件名には引きがあるが中身に課題があると考えられます。
-
特定のリンクのクリックが偏るようなら、読者の関心がどこにあるか分析材料になります。
3. ハードバウンス(Hard Bounced)と解除率(Unsubscribed)とは?
■ ハードバウンス(Hard Bounced)
「ハードバウンス」とは、メールが恒久的に配信できなかった場合に記録される指標です。
ハードバウンス率(%)=(ハードバウンス数 ÷ 配信数)× 100
主な原因:
-
存在しないメールアドレス
-
ドメインが無効
-
アドレスの入力ミス(例:@gmial.com など)
ソフトバウンスとの違い: ハードバウンスは「もう絶対届かない」失敗。 一方でソフトバウンス(Soft Bounce)は一時的なエラー(容量オーバーや一時的な受信制限など)を指します。
活用ポイント:
-
定期的なリストのメンテナンス(不達アドレスの削除や修正)を行うことで、全体の配信成功率を高め、スパム認定のリスクを下げられます。
-
ハードバウンスの多いリストを使い続けると、ツール側から配信制限されることもあるので要注意です。
■ 解除率(Unsubscribed)
「解除率」は、メールの購読を解除した人の割合です。
解除率(%)=(解除数 ÷ 配信成功数)× 100
活用ポイント:
-
メール内容が読者に合っていない、頻度が多すぎる、あるいは信頼感を損なった際に解除率が上がる傾向があります。
-
一度の配信で解除率が高い=そのメール内容に問題がある可能性が高いと判断できます。
-
低すぎる場合でも要注意。本当は興味がないのに解除せず放置されているだけの可能性もあるため、エンゲージメントを指標としたリストの整理が重要です。
4. 「数字の先」を見る:開封率やクリック率だけでは測れない本当の成果
前章までは、基本的な6つの指標(配信数・配信成功率・開封率・クリック率・バウンス率・解除率)を元に、それぞれの意味や改善ポイントをご紹介しました。
ここからは、より本質的に「メールマーケティングの成果を最大化するための考え方」について掘り下げていきます。
データを活用して戦略を組み立てる時代へ
従来のメール配信レポートは、「開封率」や「クリック率」といった"見栄えのいい指標(Vanity Metrics)"に偏りがちでした。 しかし今は、数値を眺めるだけで終わらせず、具体的な戦略に落とし込む力が求められています。
現代のマーケターにとって大切なのは、
-
リストの健全性(List Health)
-
長期的なエンゲージメント傾向
-
購読者の行動トレンド
-
価値あるコンテンツをどれだけ届けられているか
といった"持続的な関係性"に基づいた分析です。
エンゲージメント重視の視点を持つ
購読者は、自分にとって「関係のある・役に立つ」メールを受け取りたいと考えています。 その期待に応えることができれば、彼らは皆さんのメールに繰り返し反応し、行動を起こすようになります。
つまり、開封率やクリック率を一時的に上げることよりも、継続的に反応し続ける"ファン"を育てることが最も重要です。
✅ 価値あるメール → 読者の満足度向上 → 行動率のアップ → 売上や信頼関係の強化 ❌ 無差別な一斉送信 → 開封されない・スパム扱い → リスト劣化
このように、「エンゲージメントを第一に考える姿勢」が、健全なリスト運用と収益性につながります。
数字の「質」に注目する:大量配信はもう通用しない
かつては「メールリストの件数」がそのまま力とされていましたが、現在はそうではありません。 むしろ、大量に送る=届かない・無視される・解除されるというリスクが増しています。
たとえば:
-
メール登録を条件にしたSNSキャンペーン
-
無差別なポップアップで獲得したアドレス
-
古くから使われている放置リスト
こうしたリストに対してメールを送っても、実際には開封されず、クリックされず、むしろドメインの評価を下げてしまうことすらあります。
これからの時代は、
-
小さくても質の高いリスト
-
継続的に反応してくれるアクティブな読者
-
分析結果を元に「誰に」「何を」「どのタイミングで」届けるかを考える
といった考え方が成果を出す鍵になります。
では、どう活かせばいいのか?改善のための実践ステップ
ここまで紹介したようなレポート指標を見たうえで、皆さんが次に取るべきアクションの一例を紹介します。
見えるデータ | 可能な仮説 | 次のアクション例 |
---|---|---|
開封率が低い | 件名や配信時間が悪い | A/Bテストを行い、件名の改善と配信時間の調整を試す |
クリック率が低い | 内容に魅力がない、リンクが目立たない | CTA文言やレイアウトの改善、ボタン配置の見直し |
ハードバウンスが多い | リストに古いアドレスが含まれている | リストのクリーニングや配信前の検証を行う |
解除率が高い | 頻度・内容・ターゲットが不適切 | セグメント別配信やパーソナライズ配信の導入 |
5. コンテンツ戦略の重要性:「読まれるメール」と「無視されるメール」の違い
開封後の体験が次の開封を決める
開封率やクリック率といった指標は、「結果」であり、その前提となるのが「コンテンツの質」です。つまり、メールを開いた後に「読む価値があった」と思われなければ、次の配信では開封されなくなってしまいます。
読者は日々、大量のメールに囲まれています。その中で選ばれるには、次のようなポイントが重要です:
- 件名と内容に一貫性があること→「釣りタイトル」ではなく、本文でもしっかり期待に応える
- 配信目的が明確であること→売りたいのか、知らせたいのか、行動してほしいのかを1通に1つに絞る
- CTA(Call to Action)をわかりやすく配置すること→「どこをクリックすればいいのか」が迷わない構造にする
- 視覚的にも読みやすいデザイン→スマホでも見やすいレイアウト、画像の最適化、ボタンのサイズなど
コンテンツの改善にもレポートが活きる
クリック率が高いリンクやセクションを分析すれば、読者が興味を持っている話題が浮き彫りになります。
その情報を元に、次回のメールの内容を調整したり、パーソナライズすることも可能です。
例:
- 商品Aより商品Bのリンクが多くクリックされた → 今後は商品Bに関連した情報を配信
- 長文よりも短いセクションでクリックが多い → 情報の整理・要約力を高める
7. まとめ:数字は「判断材料」、価値ある改善につなげよう
メール配信レポートを活用することで、単なる「送る作業」から「戦略的なマーケティング活動」へと進化させることができます。
💡この記事でお伝えしたポイントを振り返ると:
開封率・クリック率だけでなく、配信成功率やバウンス率、解除率などのデータも重要
- 「見える数字」から仮説を立て、A/Bテストやセグメント配信で具体的な改善を行う
- コンテンツの質が、読者との関係性を決める。価値ある内容がエンゲージメントを生む
- Google Analyticsとの連携で、クリック後の行動や売上まで測定可能
- 数の多さより、アクティブな読者との関係構築が長期的な成果につながる
📩 皆さんのメール配信も、今すぐ改善スタート!
もし皆さんがすでにメールマーケティングを実践しているなら、今月配信したメールのレポートを一つ開いてみてください。
- どの項目に課題がありますか?
- 次回の配信で変えられそうなポイントはどこでしょうか?
そして可能であれば、Google AnalyticsのUTM設定も試してみましょう。メールが「どこまで役に立っているか」が、数字として見えるようになります。
✅ 補足:KAJABIユーザーの方へ
KAJABIには、この記事で紹介したようなレポートが簡単に確認できるビジュアルな管理画面があります。
まだ使いこなせていない方は、「メール > レポート」セクションをぜひチェックしてみてください。
件名のA/Bテストやセグメント配信、オートメーションとの組み合わせで、さらに高い成果が期待できます。
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